第1回生理学女性研究者の集い

 平成7年3月30日,名古屋大学で開催された第72回生理学会のグループディナーの一環として,第一回の生理学女性研究者の集いが開かれました.参加者は22名,スライドを使って自己紹介をし,女性研究者の会へのそれぞれの思いが語り合われました.

 まずはじめは,これまで女性研究者の会設立のため奔走された昭和大学歯学部の半場道子先生から,会の設立趣旨説明および生理学会常任幹事の先生方との話し合いなど,これまでの経過の報告がありました.内容を要約いたしますと

などでした.また,常任幹事の先生方からは温かいご理解をいただき,学会としての協力容認できる範囲などの明示があり,生理学雑誌への通知掲載やセミナーの開催など,活動に関する助言もいただきました.大切に育てて行きましょうと発言を結ばれました.

 そのあとは,食事をとりながら自己紹介.年齢も研究分野も異なる多彩な人材に,将来セミナーやワークショップを行うことも夢ではないと思われました.また女性研究者の会に関する意見も多岐にわたり,明確な方向付けをするまでには至りませんでしたが,将来の方向を決めていく上でたいへん参考になるものがありました.内容を紹介いたします.

 これは何を目的とした集まりですか,という素朴な,しかし本質的な疑問.これに対しては,「最終的な目的は半場先生が話されたような女性研究者の地位向上,環境改善ですが,具体的な行動としては,男性多数社会の中で孤立しがちな女性研究者が横のつながりを持ち,身近な問題を話し合える場としたい.」という女性研究者の会準備会からの返事でした.これに関連して,「ただ集まって話したり愚痴をこぼし合うだけでは長続きしないので,何かをしていくことが必要ではないのか.」「愚痴をこぼして,また元気になっていく場であってもいいと思う.そして,人のつながりの輪が広がれば良いのではないか.」という意見もありました.また,女性研究者が長くいる教室はどんな教室か,ということも話題に上りました.将来の課題として電子メールの利用が挙げられましたが,「電子メールを使って価値ある情報を発信していくことが大切.」という提案や,さらに「学問的交換の場として新しい試みもやってはどうか.」と具体的にプリントを用意されての提案がありました.女性研究者の質的向上をはかるためにはセミナーの開催なども実施していく必要があると思われますので,近い将来の計画として,ぜひ取り組みたい課題です.いろいろな希望や企画を是非お寄せ下さい.

 最後に,来年の生理学会でも「女性研究者の集い」を持とうということでは全員の意見が一致し,来年の再会を約して終了いたしました.会の名称は「生理学女性研究者の会」とし,連絡先は半場道子先生(昭和大学),事務局は岡田薫先生(明治鍼灸大学)となりました.女性研究者の交流の場として発足いたしましたが,まだ強力な体制ができたとは言えません.是非とも女性研究者の皆様の幅広いご支援と参加を賜りますよう願っております. (菅原美子)